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バイコーハイパワーDC-DCコンバータの過大なコモンモードサージ電圧による影響と対策

バイコーハイパワーDC-DC コンバータについては、外部から印加される急峻なコモンモードサージ電圧によって、内部の制御回路が誤動作し故障に至ることがあります。

この問題は、特に高電圧の方形波を出力するインバータ、あるいは、パワーアンプ等の用途に、バイコーハイパワーDC-DC コンバータファミリ製品を使用される場合すべてについて、入力−出力間(入力−ベースプレート間を含む)の電圧変化が10V/ μ sec を超える場合については、図1.の経路で内部制御ICが誤動作を起こす場合が考えられるため、何らかのサージ低減対策を推奨しております。


実際には、電圧の変化率が10V/ μ sec では問題になることはありませんが、20 〜30V/ μ sec を超えると問題になる可能性があります。
このような急峻なサージ電圧が発生している環境下で、DC-DC コンバータの一次側制御IC の誤動作を防ぐ方策として、DC-DC コンバータの入力側、もしくは、出力側にコモンモードのLC フィルタを設けることを推奨いたします。
インダクタの形状は通過電流の大きさに依存しますので、DC-DC コンバータの入力もしくは出力のうち、電圧の高い側(すなわち電流値が小さい側)にフィルタを設置します。図2. に一般的なコモンモードLC フィルタの構成を示します。インダクタ、および、Y コンデンサについては、大きな値の部品を使用すればフィルタの減衰率も高まります。
サージ電圧の立ち上がりにおける時間と電圧変化値を実測波形から読み取り、実装スペースを考慮しながら最適化を図ることもできます。